前世の業が現世に及ぼす影響

「前世の行いが悪かったせいで」という言葉をよく耳にする方は多いと思います。前世の行いが良かった者は現世で恵まれた環境に、前世の行いが悪かった者は貧乏人や人間以外の動物などにそれぞれ生まれ変わる、という概念は霊能やスピリチュアルに興味がない方の間でも割と一般的です。では、実際、前世の行いはどれだけ現世に影響しているのでしょうか。今回はそれを霊能者としてご説明していきたいと思います。

人の魂は肉体の誕生と死を経ながら何度も生まれ変わります。そして、ある生での行いがその次の生に影響を及ぼすことは大いにあります。しかしそれは例えば「前の生で悪いことをしたら次の生が辛くなる」といった平面的なものではありません。例えば前世で悪人だったなら「その生でどういう悪いことをしたか」「なぜそれをしてしまったか」といったことが重要です。そして次の生で、また同じようなことが必ず起きる境遇に立たされ、「今度は悪いことをせずに進めるかどうか」が試されます。他人の物を盗んだ人なら同じような境遇で盗まず真面目に生きられるかどうか、怨恨で人を殺めてしまった人なら同じような相手を許せるかどうか、不倫をしていた人なら同じような展開で誘惑になびかないかどうか、といった風に、前世の過ちと同じようなことが必ず起きるようにして、来世の境遇が決まっていくのです。

魂は新しい命へと生まれ変わる前、まず霊界と言われる場所で「その生でどういう物事を目標にするか」という課題を設けられ、その上で生を受けます。その課題は人の一生という短い期間のためのものではなく、輪廻の中で何度も転生を繰り返していく中で魂が高みに成長していくためのものです。そして、その生において与えられた課題を全うして生涯を終えれば、その魂は霊的に一段階成長し、そこでまた次の課題を与えられます。一方、その生で与えられた課題を全うできなかった場合、また同じ課題に再挑戦しなければならなくなります。これが「前世の業」の正体です。

「前世で犯した罪の罰を来世で受ける」というのは間違った認識です。「前世での失敗を来世では乗り越える」というのが正しい認識なのです。前世で悪いことをした人が必ずしも不幸な境遇に生まれ変わるとは限りません。前世で恵まれた環境にありながら過ちを犯してしまった人は、来世でもまた恵まれた環境に生まれ変わることもあります。

その生で課せられた魂の課題を全うすることは、実りある人生へと繋がります。あなたがもし現在あまり恵まれない境遇にあったり、同じ過ちを何度も繰り返してしまったりして悩み苦しんでいるとしたら、霊能者の鑑定を受けることをお勧めします。霊能者はあなたの前世を鑑定し、それが現世に与えている影響、現世において課せられている魂の課題を正確に霊視し、お伝えすることができます。また、あなたが現世での魂の課題を全うし、実りある人生を過ごし、魂の成長に結びつくためのやり方をしっかりとお教えします。