第四十六回
ありえない場所で割れていた印鑑
「印鑑なんですけど、ちょっと気味の悪いことになってしまって…」と、30代の女性から愛恵にご連絡をいただきました。お話を伺うと、たしかに、一般的にはにわかには信じがたい内容であるため、鑑定をお引き受けいたしました。
ご相談背景の要約

ご相談者さまには印鑑のご使用予定があり、出して確認しようと、いつも入れていた鍵の掛かるタイプの小引き出しを開けたのですが、なぜかそこに見当たらない。「もしかして、貴重品の収納庫にしまったかもしれない」と考え、そこも探したのですが、やはり無い。いまは亡きご祖母さまが社会人になった記念にと、つくってプレゼントしてくれた大切な形見の印鑑だったので、紛失したショックは大きかったそうです。
ところが、翌朝、洗濯物を干そうとベランダに出てわが目を疑うことに。探していた印鑑がひび割れた状態で転がっていたのです。大切な形見の、しかも本格的な印鑑を、そのようなところに放置する訳がなく、しかもご相談者さまはおひとり暮らしであるため、ほかの誰かがやったとも考えられません。印鑑は木製ではあるものの、頑丈な薩摩柘植でつくられた太く、しっかりたもので、銀行口座と不動産関連の契約以外に使用したことがなく、新品同様だったそう。ひび割れるとは考えられないとのことでした。
鑑定所見より
霊視の結果、これはご相談者さまをご心配されて、亡きご祖母さま自らがなさったことがわかりました。じつはご相談者さまはワンルームマンション投資をはじめようとしており、契約のため印鑑が必要だったのです。しかし、その物件はわたしの霊視でも、今後ニーズが下がることが懸念されるエリアにあり、不動産に精通されていたご祖母さまにもそれがわかっておられたご様子。何とか思いとどまってもらおう、知らせる方法はないかと、このような形を取られたのでした。鑑定後にご相談者さまからいただいたメールにも、「祖母からの警告に加え、いまひとつ信用ならない投資会社であることがわかり、投資はやめました」との一文が。お孫さんに対するご祖母さまの思いの深さと、その慧眼ぶりに、わたしも感じ入った次第です。これからもご相談者さまは聡明で愛情深いご祖母さまの強いご加護を得ることでしょう。