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心霊体験談「霊感の泉」

死相

死相

思春期の頃まで霊感がありました。具体的には、もうすぐ亡くなりそうな人が分かるという能力です。死に瀕しているや死の危険がある人は、顔の色に変化が現れます。実際の顔色ではなく、顔の上に妙な色が掛かっているように見えるのです。高校に進学する頃を境に見えなくなりましたが、それ以前は時々そういったものが見えていました。

最初に気づいたのは小学生の頃です。実家は祖母、両親、私と弟という三世帯が同居していたのですが、元気だった祖母の顔が急に薄暗く見えるようになりました。影は日増しに濃くなり、やがて表情がよく見えなくなっていきました。もちろん、目をこらせば普通に見えるのですが、無意識にしていると顔が翳っているように見えるのです。その直後、祖母が倒れました。脳溢血でした。祖母はそのまま亡くなってしまいました。とても悲しい気持ちになりましたが、同時に自分の見えていたものが腑に落ちた妙な感覚がありました。

それからしばらくして、今度は学校の同級生のK君の顔が真っ赤に見えるようになりました。祖母の件があったので、「顔が妙な風に見える人は危険が差し迫っている」となんとなくわかりました。でも、私はK君にいじめられていたので、「気をつけて」とは言えずにいました。するとK君はその数日後、学校の帰り道で、わき見運転をしていた車に撥ねられ、大怪我を負いました。幸いにも命に別状はなく、入院と療養で完治するものでしたが、当たり所がもう少し悪かったら死んでいたほどの事故だったそうです。

黒く見えるのは病気。赤く見えるのは怪我。そういう法則がわかってきました。実際、それから父や母の顔が少し翳っているなと思うと、風邪をひいたり、下痢をしたり、体調が悪化していました。また、弟の顔がほんのり赤くなっていると思ったら、カッターで指を切る怪我をしてしまったこともあります。でも、この感覚をどう伝えれば理解してもらえるか分からず、誰にも何も言えませんでした。

そして、あれは中学二年生の頃。担任の先生の顔が少しずつ白くなっていき、やがて真っ白になりました。「またあの感覚だ…」と心の中で思っていましたが、白は初めてでした。その数日後、担任の先生が自殺しました。プライベートで悩みを抱えていたそうです。厳しくも面倒見の良い先生だったんでショックでした。白は自殺だったのです。

自分の顔がおかしく見えたことも何度かあります。ほんのり赤味がかって見えた時は、なるべく周りに注意して行動するようにしていました。大体そういう日はギリギリのところで人や物にぶつかりそうになったり、高いところから落ちかけたり、転びかけたりしました。注意していなかったら怪我していたと思います。また、風邪気味だな、という時に鏡を見ると、やっぱりどこか顔にうっすら影が掛かったようになっていました。そういう時は厚着して早く寝るようにしていました。おかげで、子供の頃は大きな怪我も病気もまったくしませんでした。

そんな便利かつ複雑な能力でしたが、高校に進学する頃を境目にまったく見えなくなりました。それ以降は、普通に怪我や病気をするようになってしまいました。でも、これでよかったと思っています。自分の怪我や病気を予知して防げる代わりに、周りの人のそういったものも見えてしまうわけですし、他人のものは防げないんです。「この人はもうすぐ亡くなるかもしれない」と分かっているのに、伝えようがないもどかしさは本当に辛いです。霊能力がなくなって良かったと思っています。

(岐阜県大垣市 谷口美樹さん 30歳)