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心霊体験談「霊感の泉」

死の前兆

死の前兆

特別養護施設で介護士をしています。俗に言う老人ホームというものです。ご高齢で要介護の方々が集まるだけあり、ある日施設で容態が変わり、病院に運ばれそのままお亡くなりになる方や、施設内でそのまま逝かれてしまう方も多くいらっしゃいます。そんな環境で働いているからか、「この方はもう先が長くないな」という方が分かるようになってしまいました。

もう先が長くない方は、お顔がよく見えなくなります。お顔そのものは確かにそこにあるのですが、しっかり見ないと目や鼻や表情がわからないような感じになるのです。あと、全体的にかすんで見えることもあります。その人の周りだけ霧がかったようにぼんやり見えるのです。老衰でお亡くなりになる方は、大体、白くなっていくことが多いです。一見元気だった方も、白くなっていくと必ず近日中に容態が急変してお亡くなりになります。持病が悪化してお亡くなりになる方は大体、妙な色がついていて、やや黄色がかったり、薄緑色が混じっていたりもします。でも、私が感覚でそう分かるからといって、「もうすぐお亡くなりになりそうです」なんて誰にも言えません。見て見ぬふりをするしかありません。

一度だけ、じょじょに黒くなっていく方がいらっしゃいました。お婆さんでした。ご本人様は老人ホームへの入居を望んでいなかったにも関わらず、ご家族の方から半強制的に入居させられたそうです。そういう方は決して少なくありません。ですがそのお婆さんはとてもプライドが高く、自分が老人ホームで介護されて余生を過ごすことをどうしても受け入れられないようでした。私達職員にも当たりがきつく、少々困った入居者様でしたが、お体自体はとても元気な方でした。しかし、ある日を境に、お婆さんが少しずつ黒くなっていったのです。するとその数日後、自室で首を吊ってお亡くなりになってしまいました。タオルを輪にしてベッドの脇にひっかけ、そこに首を掛ける形でお亡くなりになっていました。黒は自殺される方の前兆なのだと、その時初めて分かりました。

街を歩いていても、ごく稀に妙な色がついて見える人とすれ違うことがあります。ドキッとします。また、大きな駅の構内などを歩いていると、たまに黒い色がついている人を見かけることもあります。しかし、見えるからといってどうすることもできません。せめて身内や友人知人であれば何かできることもあるのかもしれませんが……。

(神奈川県厚木市 大泉香夏子さん 44歳)