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物霊を知る「物に宿る」

第一回

戦地で果てた兵士の魂が宿った刀剣

東南アジアの某国で働く日本企業の現地駐在員のSさん。

刀剣

東南アジアの某国で働く日本企業の現地駐在員のSさん。
まだまだ現役バリバリの働き盛りな40台。赴任当初から慣れない水でお腹を壊すことも大きな病気になることもまったく無く、「毎日健康」がモットー。すでに現地滞在は10年目に入ろうかというベテランです。言葉も余程の方言や専門用語ではない限り、通訳無しで困ることもありません。またSさんは無類の骨董品好き。休日には一人で蚤の市や地方を回り、色々な掘り出し物を探しては家に買って帰り、笑顔がこぼれるそうです。

そんなSさんが先日手に入れたのが骨董品の刀剣。もともとSさんは骨董品、中でも陶器が大のお気に入りともあり、店先で見掛けた時には、刀身もボロボロ、錆も目立つそれにはあまり興味が向かなかったそうなのです。しかしお目当ての陶器を購入し、「すべてが解決した今にして思えば…」とはSさんの談ですが、車は整備もしっかりして、その日が取り立てて猛暑だったわけでもないのに、帰る際にはなかなか車のエンジンがかからなかったそうです。それとともに、どうしてもその刀剣が頭から離れなかったそうなのです。言葉では言い表しようのない、直接頭の中に語り掛けてくる嗚咽にも似た声に引き寄せられ、再び店へと踵を返したのでした。

あらためて店主に詳しい話を聞くと、どうやら旧日本軍兵士の、しかも嘘か真か名のある人物の持ち物だったようでした。じっくりと見れば見るほど、ただの錆にまみれた刀剣で無価値な感じしかしなかったそれを、心臓を掴まれたような違和感と「同じ日本人なんだから」と食い下がる店主に抗し切れず、結局ただ同然の値段ということもあってその刀剣を手に入れたのでした。そして家に持って帰り、お気に入りの陶器の脇にそっと飾っておいたそうです。

ところがそれ以降、Sさんの体調は急激に悪化して行ったのでした。
最近は仕事も立て込んでおり、自分もそろそろ歳かと思ったそうなのですが、丸一日休みをとっても食事に気を使ってもまったく健康改善の兆候が表れなかったのです。そして何より空恐ろしいことには、先日購入した刀剣が暗闇の中にぼんやりとしたイメージでたびたび頭に浮かんでは、その鞘から止め処なく血が滴り落ち、真っ暗な地面に血溜まりが出来ているのです。更にはその刀剣を持つ人の、姿は黒いモヤに包まれて見えないけれども、声とは思えないような呻き声に追い掛けられる夢をたびたび見ては、汗だくになり目を覚ます日々が続いたのでした。それからは日中も頭痛が続き、言いようのない息苦しさ、咽喉の締め付けを感じ、仕事も手につかない状態になってしまったのです。流石のSさんもこれはただ事ではないと先日の一時帰国出張の際に、以前に知人が勧めてくれた鑑定を受けることにし、今回は愛恵にお電話いただきました。

鑑定所見より

戦地で果てた兵士

まず現在のSさん自身からは、悪霊の類は感じられませんでした。実際、一時帰国している間は体調も良く、悪い夢にうなされることもなかったそうです。しかしSさんの体から、淀んだ想念がかすかに漂ってくるのを感じたのです。そしてそれを重点的に霊視を重ねているうちに、Sさんを苦しめている原因の一端が視えたのでした。
それは、第二次大戦中に現地で戦死した日本兵の姿でした。

その想念の一部だけがSさんの体を取り巻いて、日本まで憑いて来たのです。もし今、遠隔による浄霊を行ってもそれでは一時凌ぎにしかならないため、なるだけ早く再鑑定を受けて欲しいと今回は悪い状態を抑えるだけにし、次はその刀剣を身近に置いて鑑定を受けるように進言するにとどめたのです。そしてSさんは仕事を終えトンボ返りし、運良く仕事の都合で間隔を空けること無く、再度一時帰国することになりました。そして早速、すぐに浄霊を行うことになりました。

実際のところ、その刀剣には物凄く強い想念が宿っていたのです。しかし幸いなことに、その憑いた霊は別段、Sさんに恨みがあった訳ではなかったので、浄霊も実にすんなりと行うことが出来ました。と言うのも、実はその刀剣を日本に持ち帰ること、これがまず大きなことだったのです。日本へ生きて帰国を果たせなかった、その持ち主。その想いが淀んだ形で所有物だった刀剣に宿った結果、Sさんの体調に影響を与えたのが、今回の事の顛末でした。Sさんが体調まで崩したのは、憑いていた霊の想念があまりに強かったためにSさんの体ではもたなかったということなのです。実は浄霊を終える際に、宿っていた霊が去り際に、心ならずも苦しめて申し訳ないと言い残した声を先生は聴いていたのです。更に、生きて帰れなかった日本に連れて帰ってくれてありがとう、と言い残したことも先生の耳にははっきりと聴こえたのでした。浄霊後は刀剣の持ち主に関しても深く霊視を行い、それをSさんに今後の対応も含めて伝えました。鑑定から数日後、Sさんから連絡があり、刀剣は無事に亡くなった旧日本軍兵士の家族の手に渡すことが出来、Sさんもまた今回のことが縁と言いますか、お墓参りをした上で刀剣に関しては供養をしてもらったと電話がありました。

その後、Sさんの体調も精神も完全に回復、仕事に復帰し再び日本と海外を股に掛けてバリバリと働くようになり、今はまったく何の問題も無いそうです。しかしもし再び今回と同じように、日本へ帰りたいと強い想いを残した物に出会う機会があれば、自分自身がその橋渡し役を引き受けてもいいとおっしゃっていたのが印象的でした。